カーリースは、基本的に契約途中で走行距離制限を変更することはできません。
契約前に必ず確認しておくべきポイントを知っておきましょう!
カーリースを検討しているけど、「“走行距離制限”ってなに?制限を超えるとどうなるの?」と感じていませんか?
実はカーリースは契約期間中に走行距離制限を変更できない仕組みになっています。そのため、契約期間中にライフスタイルの変化にともない車を使用する機会が増えてしまっても、簡単に契約プランを変更できないのが現状です。もし走行距離制限を超過した場合には追加料金が発生するケースもあり、想定外の出費に繋がります。
本記事では、走行距離制限の基本知識から、契約時に気をつけたいポイント、トラブルを回避するための対策までを分かりやすく解説します。最後まで読んでいただくことで、「知っておけばよかった…」という後悔を避け、安心してカーリースを利用できるようになるはずです。
- 走行距離制限の基本的な仕組みと設定される理由
- 走行距離を超過した場合の影響と追加費用の考え方を知る
- 失敗しないために!契約前に必ず確認しておくべきポイントを学べる
『走行距離制限』とは?
カーリースを検討するときに必ず耳にするのが「走行距離制限」です。
月間または年間の走行距離の上限をあらかじめ決めておく仕組みで、「月1,000km」「年間12,000km」といった設定が一般的です。もしこの上限をオーバーしてしまうと、1kmあたり○○円の追加料金が発生する場合が多くなっています。
補足説明:追加料金はリース会社によって異なるので注意が必要です。
何のために設定されている?
走行距離制限は、リース会社が車の将来的な価値(残価)を損なわないようにするための指標です。走行距離は車の消耗をあらわしていて中古車としての価値が大きく下がります。見込んでいる数年後の価値よりも下がらないように走行距離上限を設けているわけです。
一括購入やローン購入などの「マイカー」と、リース会社と契約する「カーリース」の違いは以下に記載していますが、数年後の価値を決めているかどうかです。
マイカー: 走った距離に応じて価値が下がりますが、所有者は自分なので自由度は高い。一方で車の購入費用や維持費が大きく、買取や売却のリスクも伴います。
カーリース: リース会社が車を所有し、利用者は月額料金を支払って車を使う仕組み。走行距離制限があるからこそ、残価を保ちやすく、月額料金を抑えられるというメリットがあります。
カーリースならではのメリットもある
制限があるからこそ抑えられる月額料金
リース会社は「返却時の車の価値をあらかじめ設定」してリース料金を決めています。そのため利用者は比較的低めの月額料金で新車に乗ることができます。
もし制限が無ければリース会社側はリスクが高くなります。そして損失回避のためリース料を上乗せする可能性が高いでしょう。
「車の使用頻度が少なめの人」にとってのメリット
通勤や使用頻度が少ない人は、上限距離を低く設定すれば月額費用を安くできます。
例)たまに買い物や子どもの送迎で乗る程度
例)長距離旅行は年に1回程度」など
走行距離が少なめな人にとっては金銭的にもメリットが大きい仕組みです。
なぜカーリースは走行距離制限があるのか?
車の価値(残価)を保つ仕組み
- 走行距離と車両価値の関係
車は、走行距離が増えれば増えるほど中古車としての市場価値が下がっていきます。そこでリース会社は、契約時に「この車はだいたい○年後に○kmくらい走行している」という前提で価値の下落を見込み、月額料金を設定しています。 - リース会社が車両を引き取る前提
契約終了後、車を回収するのはリース会社です。想定より極端に走行距離が増えると、引き取ったときの価値が当初の予測より大きく下がり、会社が損失を被る可能性が高まります。そのリスクを抑えるために、走行距離制限を設けてリスクと料金をバランスさせているのです。
トラブル回避と契約内容を明確化するため
走行距離制限のもうひとつの目的は、利用者とリース会社の双方でトラブルを避けることです。
- 走行距離の制限がないと起こり得るトラブル
「想定以上に走行して車の価値が大幅に下がった」→ リース終了時に大きな費用を請求されるなどのトラブルに発展しやすい。 - 利用者・リース会社双方のメリット
あらかじめ上限を決めることで、リース会社はリスクを把握しやすく、利用者は月々の支払いが予測しやすい状態で契約できます。お互いにメリットがあるため、この仕組みが成立しています。
走行距離制限をオーバーしたらどうなる?
超過料金の考え方
- 1kmあたりいくらかかるのか:
上限を超えて走った分には、1kmあたり数円~十数円など、リース会社ごとに設定された追加料金がかかります。例として、1kmあたり5円で100km超過した場合は500円、1,000kmなら5,000円の負担となるイメージです。 - 少しの超過でも積み重なると大きくなる:
月々のオーバーが少額でも、契約期間が長いほど合計金額がかさんでしまうことがあります。ライフスタイルの変化で想定より長距離を走る機会が増える場合は、事前に余裕をもったプランを選ぶか、超過料金をシミュレーションしておきましょう。
違約金との違い
- 単なる“追加利用料”であってペナルティではない:
超過料金は「走りすぎた分の清算」に近く、基本的には“違約金”ではありません。契約違反による罰金ではなく、あくまで上限を超えたぶんだけ追加で支払うというスタンスです。 - 勘違いしやすいポイント:
よく「オーバーしたら契約解除?」と心配する声もありますが、通常は解除になることはありません。ただしリース会社によって細かい規定は異なるため、契約書に「特別なペナルティが設けられていないか」を確認することも大切です。
契約後の走行距離制限の変更はできない
契約プランの変更が難しい理由
カーリースは契約開始時に走行距離の上限を設定し、その上限を元に月々の料金を算出しています。そのため、契約途中で「もっと走行距離を増やしたい」「やっぱり制限を下げたい」という希望があっても、基本的には変更はできません。
ライフスタイルの変化(転勤や家族構成の変化など)で走行距離が大きく増える可能性があるなら、契約前に十分見込んだ上で、余裕のある上限を選択しておくことが重要になります。
どうしても増えそうなときの対処法
どうしても走行距離が増えるリスクがある方へのアドバイスです。
- 週末の長距離旅行だけレンタカーを利用:
通勤・日常用とレジャー用で使い分けると、リース車の上限を超えにくい。 - 契約前にリース契約年数を短めに設定:
7年後よりも3年後のライフスタイルの方が見当をつけやすいので上限設定を超えるリスクを低くできる
具体的に走行距離制限を超える場面とはどのようなものでしょうか、詳しく見ていきましょう。
『カーリースの走行距離制限』が問題になるケース
- 長距離通勤や転勤により、通勤距離が大幅に増えてしまった
- 週末や長期休暇に頻繁に遠出・旅行をする家族層
- 仕事や用事で急な長距離移動が必要になる
ケース①:長距離通勤や転勤により、通勤距離が大幅に増えてしまった
- 当初の想定
「通勤往復が20km程度だから、月500km上限で十分!」と思い契約した。 - しかし…
突然の転勤や勤務地変更で、往復通勤距離が2倍以上に増えることも。結果的に制限をオーバーしてしまい、追加料金を支払ことになった。 - 対策
契約前に「通勤距離が変わる可能性」を考慮しましょう。やや余裕のあるプランを選ぶか、急な通勤スタイルの変更に備えておくと良いでしょう。カーシェアや公共交通機関の利用を念頭に置くのもアリです。
ケース②:週末や長期休暇に頻繁に遠出・旅行をする家族層
- 当初の想定
「平日はあまり乗らないし、月1,000kmなら充分」と思い契約した。 - しかし…
実際には、子どもの休暇に合わせて遠方へ帰省・家族旅行に出かける機会が増えた結果。年間トータルの走行距離が上限をオーバーしてしまった。 - 対策
車を使う機会が増えそうなら、年間で大まかな走行距離を試算してみましょう。遠出が多い場合はリース契約の走行距離を高めにする。旅行時だけレンタカーを利用するなど工夫してみてください。
ケース③:仕事や用事で頻繁に移動が必要になる
- 当初の想定
「基本は週末だけ使うからそんなに走らない」と思い契約した。 - しかし…
仕事や運動不足解消のためジム通いなどで車の使用頻度が増加した。近隣であっても頻繁に車移動が増え、上限超過による追加費用が発生してしまった。 - 対策
「ライフスタイルの変化で走行距離が増える可能性がある」場合、やや余裕のあるプランが安心です。期間内に走行距離上限を超えなければ良いので、例えば3ヶ月に一回など定期的に走行距離をチェックしましょう。
これからカーリースの利用を検討するならば、次に説明する契約前に確認しておきたいポイントを参考にすることで、適切なプランを選択できます。
カーリース契約前に確認しておきたい4つのポイント
走行距離制限があるカーリースを利用するなら、契約前に以下の5つを必ずチェックしておきましょう。特に重要な項目には(重要)と記載しています。
- 走行距離上限とオーバー時の追加料金(重要)
- 走行距離に余裕のあるプランやオプションの有無(重要)
- 不測の事態に備える:追加料金以外のペナルティや総コスト
- 契約満了時の返却条件と査定ルール
走行距離上限とオーバー時の追加料金
- 上限設定の仕組みを確認:
月間 or 年間で決まった走行距離を超えない範囲で利用するのが基本。たとえば「月1,000km」や「年間12,000km」など、リース会社ごとに異なる設定があります。 - 超えた場合の費用:
多くの場合、1kmあたり数円〜十数円の追加料金が発生。どのタイミング(毎月/契約満了時など)で請求されるかは、リース会社によって異なる。単なる“超過料金”として扱われるケースがほとんどで、違約金や罰金とは別物です。 - 押さえておきたいポイント:
自分の年間走行距離の目安をあらかじめ把握する。転勤や家族構成の変化で距離が増える可能性があるなら、少し余裕を持った上限を選ぶ。超過時の追加料金単価を知ったうえで、大まかな試算をしておくと安心です。
走行距離に余裕のあるプランやオプションの有無(重要)
- オプションの確認:
走行距離制限が不安な方や、長距離ドライブの機会が多い方は、上限が高めのプランや無制限プランを検討すると後々の心配が減ります。プランを選択できるリース会社なら、自分のライフスタイルに合う設定を見つけられる可能性が高いです。 - 具体的にチェックすべきこと:
①複数プランの比較: 月500km、月1,000km、月1,500kmなど段階的に設定されていることが多いです。
②完全無制限プランの有無: その分月額料金は割高になる場合がありますが、距離オーバーのリスクをゼロにできるメリットもあります。 - 押さえておきたいポイント:
距離無制限だからといって常にお得とは限らない。自分がどの程度走るかを正確に見極め、必要以上に高いプランにするのは避ける。追加オプションとして「距離アップ」が用意されている会社もあるため、事前に問い合わせてみるのも良いでしょう。
不測の事態に備える:追加料金以外のペナルティや総コスト
- 追加料金以外の費用の可能性がないかを確認:
一般的には、走行距離超過分は“追加料金”として精算するだけです。ただし、リース会社によっては特殊なペナルティや違約金が設定されている場合もあります。また、走行距離以外にも車両状態(キズ・ヘコミ・車内汚れ等)による追加費用が発生するケースがある点も確認が必要です。 - 具体的にチェックすべきこと:
月額料金 + 超過料金 + その他メンテナンス費用(オプション契約の場合) + 契約満了時の査定とくに契約期間が長期にわたる場合、トータルでどれくらいの出費になるかをシミュレーションしておくのが安心です。 - 押さえておきたいポイント:
①利用規約の例外条項:大幅に上限を超えた場合、特別な費用が発生しないかを確認しておきましょう。
②メンテナンスパックの範囲:オイル交換や車検整備などが含まれるかどうかサービスの範囲を確認しておきましょう。
③故意・過失によるダメージ時の修理負担:保険でカバーされる範囲などを知っておきましょう。
契約満了時の返却条件と査定ルール
- 返却or買い取り? それぞれの確認が必要:
①カーリースは契約満了時に車を返却するのが基本です。返却時の査定で「想定より走行距離が増えている」「キズが多い」などと判断されると、追加精算が発生する可能性があります。
②一部のリースプランでは買取オプションが付いていることも。自分の車として乗り続けたい場合は、契約時にオプションの有無を確認しておきましょう。 - 査定基準のポイント:
①走行距離: 走行距離制限を超えていないか、超えていた場合どの程度超過しているかをチェックされる。
②外装・内装のダメージ: 通常使用による汚れや小キズはOKとしている会社もあるが、深いへこみや事故歴はチェックされやすい。
③追加費用の算出方法: 査定方法はリース会社ごとに異なるため、事前に確認しておくと返却時のトラブルを回避しやすい。 - 契約期間中にできること:
①定期メンテナンスでトラブルを防ぐ。
②運転時に大きなダメージを負わないよう注意する(ぶつけない・定期的に洗車するなど)。
③リース会社からメンテナンスパックが出ているなら、積極的に活用して車両状態を良好に保つ。
まとめ
走行距離制限つきのカーリースを契約する前に把握しておきたいポイントを、4つに厳選してご紹介しました。以下のように理解しておけば、大きなトラブルや追加費用を避けられます。
- 走行距離上限とオーバー時の追加料金
- 何kmまで走れるのか、超えたらいくらかかるかを確認
- 距離に余裕のあるプランやオプションの有無
- 自分のライフスタイルに合った上限を選択
- 不測の事態に備える:追加料金以外のペナルティや総コスト
- 違約金や特別な査定がないか事前にチェック
- 契約満了時の返却条件と査定ルール
- 最終的に追加精算が発生しないよう、車の状態管理に注意
カーリースは一定の範囲内で走る人には非常に便利な仕組みですが、想定以上に距離を走るかもしれない方は、契約内容を十分に理解してからプランを選ぶと安心です。事前に必要な情報をしっかり確認し、自分の走行スタイルにピッタリ合ったカーリースを見つけてくださいね。
カーリース契約を検討しているのだけど”走行距離制限”ってどういうこと?超えるとどうなるの?よくわからないなぁ・・・